今回は「寝つきを良くする」、「睡眠の質を上げる」、「日中の眠気を抑える」、「スッキリ目覚める
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睡眠改善!快眠に必要な栄養素
栄養素①「トリプトファン」 睡眠の源
一つ目の栄養素は「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸の一種です。
トリプトファンは体内では生成できないので、食べ物や飲み物から摂取する必要があります。
トリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
そのためトリプトファンが不足すると、夜遅くになってもメラトニンが分泌されず寝つきが悪くなります。
ここでは詳しい説明は省略しますが、日中にセロトニンがしっかりと分泌されると活動的になります。
たくさんセロトニンを分泌することで夜にメラトニンがしっかりと分泌されて、寝つきがよくなります。
このようにトリプトファンは睡眠物質「メラトニン」の原料となるため、睡眠にとってとても大切な栄養素です。
栄養素②「GABA」 ストレスが原因の睡眠不足にオススメ
寝つきや睡眠の質を低下させる大きな原因の一つにストレスがあげられます。
仕事や学校でイヤなことがあったり不安なことがあると、なかなか寝付けなかったり夜中に何度も目が覚めたという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
そんなときにお勧めな栄養素が「GABA」です。
GABAにはストレスを抑えてリラックスした状態にする効果がありますが、2018年のGABAストレス研究センターの研究で睡眠に関する効果が発表されました。
GABAを昼間(15時)に100mg摂取することで、その日の夜の睡眠に以下の効果がありました。
- いつもより早く眠れた
- いつもよりグッスリ、深く眠れた
- いつもより熟睡度が増した
- いつもおりスッキリ起きれた
研究では、寝付くまでの時間の短縮や、睡眠の深さを脳波で計ったところ深い睡眠の割合が25%も増えていたそうです。
また、5倍以上の人が「いつもの睡眠より満足できた」と回答し、2倍の人が「スッキリと起きれた」と回答しています。
睡眠薬の多くがGABAの効果を高める作用があることからも、いかにGABAが不眠に効果が高いかがわかります。
GABAの効果を発揮するためには1日100mg~400mgほど必要と言われています。
試す場合は少量から始めてみてください。
栄養素③「メラトニン」 即効で寝つきを良くしたいなら
栄養素とは少しズレてしまいますが、トリプトファンから作られるメラトニンを直接とるのも睡眠効果があります。
私も寝つきが悪い時にはメラトニンを摂取することがありますが、寝1時間ほど前に摂取するとスーッと眠りにつくことができます。
試験や面接の前日など緊張してなかなか眠れないという場合や、ホテルなど慣れていない場所で眠る場合などにお勧めです。
ただ、メラトニンは海外では健康食品としてサプリで販売されていますが、日本ではな医薬品扱いになるため国内メーカーで購入することはできません。
一般の睡眠薬より副作用の心配も少ないので、すでに睡眠薬を使用している場合や、睡眠薬を使用するのは抵抗がある場合はメラトニンを試してみるのもありだと思います。
栄養素④「マグネシウム」 不足すると睡眠の質が低下
マグネシウムは寝つきを良くしたりする効果はありませんが、不足すると睡眠の質が下がることがわかっています。
30歳~49歳のマグネシウムの推奨量は、男性で370mg、女性では290mgですが、平成29年度の国民栄養調査によると、男性で1日当たり131~136mg不足、女性で1日当たり77~87mg不足となっています。
また、マグネシウムは汗で流れ出る性質があるため、運動習慣がある人や、汗っかきの人は特に不足しやすい傾向にあります。
マグネシウムは眠気を促す効果などはないので、日中のいつ摂っても大丈夫です。
マグネシウムには睡眠の質を上げる意外にも、血糖値・血流・血圧の正常化、筋肉の緊張をほぐす作用、神経の沈静化などストレスに対する様々な効果を持つミネラルです。
健康のためにも積極的に摂りたい栄養素ですね。
栄養素⑤「グリシン」 ぐっすり深い眠りに
睡眠は大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠に分かれています。
ノンレム睡眠は簡単に言うと脳を休める睡眠ともいわれており、眠りの深さによって4段階にわけられます。
深い眠りに入るためには体の奥深くの深部体温がしっかりと下がる必要がありますが、環境や体調によってうまく下がらないケースがあります。
グリシンは深部体温を下げる作用があり深い眠りに入りやすくしてくれます。
また、体温の低下は眠気を促す効果もあるので寝つきも良くなります。
11名の健常者を対象にした研究では、就寝前に3gのグリシンを摂取することで速やかに深い睡眠へ達していることが脳波測定でわかりました。
また、主観的な睡眠の評価においては、睡眠の満足度、寝つきの良さ、継続した睡眠時間、日中の眠気、日中の認知機能の改善がみられています。
また、不眠傾向のある171名を対象に、グリシン3gを就寝30分~直前に4週間摂取させたところ、睡眠の深さ、中途覚醒回数などの改善がみられています。
就寝前に3gほどのグリシンを摂取することで、深くグッスリとした睡眠効果が期待できます。
最後に
今回は快眠に役立つ5つの栄養素についてご紹介してきました。
いきなり全部を試すのではなく、あなたの症状に当てはまりそうなものから順番に試していただければと思います。
ただ、どんな栄養素も過剰に摂取したり、人によっては合わない物もあるので、試す場合は少量から始めて、違和感があればすぐにやめましょう。
食事から摂れるものもあれば、食事だけでは摂取量を摂るのが難しい物もあります。
サプリメントを使うと効率的に摂取できるので、有効に活用しましょう。
本当に効果が期待できる、基準値をクリアしたサプリメントは次の記事で紹介しています。
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