「セロトニンという言葉はきいたことがあるけど一体なに?」という方は多いのではないでしょうか?
セロトニンは私たちが平穏な人生を送る上でとても大切な脳内物質です。
ただ、辞書で調べても難しい用語が並んでいるので理解するのが難しいかと思います。
この記事ではセロトニンの効果や役割について簡単にわかりやすく説明していきます。
セロトニンとは簡単にいうと何?
別記事「神経伝達物質とは簡単にいうと何?」で紹介していますが、私たちが「喜び、悲しみ、怒り、不安、恐怖」などの感情を抱くのは、脳内で神経伝達物質といわれるものが分泌されるからです。
いきなり神経伝達物質と聞くと難しく感じるかもしれないので、ここでは「感情は神経伝達物質によって作られる」と思っていただければ大丈夫です。
今回ご紹介するセロトニンは、ドーパミンやアドレナリンと並ぶ三大神経伝達物質の一つであり、別名「幸せホルモン」と呼ばれています。
それではセロトニンにはどのような効果があるのか見ていきましょう!
セロトニンは心の安定や睡眠に深く関わっている脳内物質です。
セロトニンが分泌されるとどのような効果があるのかを簡単にご紹介します。
セロトニンの効果とは?
脳内でセロトニンが分泌されると次のような効果があります。
やる気、集中力が上がる
セロトニンは朝目が覚めて太陽の光を浴びた瞬間から脳内で活発に生成されます。
セロトニンには覚醒作用があり、すっきりとした目覚めや活力を生み出す効果があります。
またやる気や集中力を高める効果もあるので、セロトニンの分泌を高めることで仕事や勉強の効率も上がります。
朝起きてしっかりとセロトニンを分泌できるかで一日が決まると言っても過言ではありません。
気持ちが安定する
セロトニンは『幸福物質』と呼ばれることが多く、不安を軽減して心を安定させる働きがあります。
ふとした時に穏やかでリラックスした気持ちになれるのはセロトニンが正常に働いている証です。
逆にセロトニンが不足すると些細なことでイライラしやすかったり、不安な気持ちになりやすくなります。
同じ幸福物質であるドーパミンとの違いは、ドーパミンが「やった!」といった喜びに対し、セロトニンは「はぁ~♪」といったリラックスした幸せを感じることができます。
睡眠の質を高める
覚醒作用のところでも紹介したように、セロトニンには朝の寝起きを快適にする作用があります。
またセロトニンは夜になると睡眠ホルモンのメラトニンの原料になります。
日中にセロトニンをたくさん生成しておくことで、睡眠時にメラトニンがしっかりと働き、寝つきが良くなったり、夜中の目覚めを抑えて睡眠の質を高めてくれます。
表情と姿勢がよくなる
セロトニンは重力に逆らって正しい姿勢をたもつ抗重力筋や表情筋に作用します。
セロトニンが正常に分泌された状態が続くと姿勢がよくなり、表情も明るくなります。
姿勢が悪くて悩んでいる方はセロトニン不足が原因かもしれません。
ドーパミンとノルアドレナリンの分泌を調整
セロトニンには同じ3大神経伝達物質である、ドーパミンとノルアドレナリンの分泌を調整する役割があります。
別記事「ドーパミンとは簡単にいうと何?」や「ノルアドレナリンとは簡単にいうと何?」で説明していますが、ドーパミンやノルアドレナリンの過剰分泌、または不足すると私たちにとって良くないことが起こります。
セロトニンが分泌されることで、ドーパミン(幸福物質)やノルアドレナリン(不安対策物質)が正常に働き、ドーパミンとノルアドレナリンのありがたい効果を活用することができます。
セロトニンが不足するとどうなるの?
セロトニンが不足するとイライラしたり不安になりやすいことは上述しましたが、ここではもう少し掘り下げて説明します。
ストレスの多い現代人の大半がセロトニン不足だと言われています。
放っておくと大変なことになるので確認しておきましょう!
うつ病、強迫性障害、パニック障害
人間はストレスを受けるとセロトニンが低下します。
この状態が長期に続くことで、うつ病のリスクが高まります。
また、セロトニンには不安を抑える効果があるので、セロトニンが不足すると不安になりやすくなります。
この状態がひどくなると「強迫性障害」や「パニック障害」といった強い不安感を症状とする精神疾患にかかります。
摂食障害
セロトニンは食欲をコントロールする脳機能にも関わっています。
セロトニンが不足すると食欲のコントロールが上手くできなくなり、過食などの症状が現れます。
睡眠障害
セロトニンが不足すると、睡眠ホルモンであるメラトニンがうまく生成されなくなります。
そのため、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりと睡眠の質が悪くなります。
また、セロトニンが不足すると覚醒作用が低下するため、寝起きが悪くなるなど睡眠障害の原因にもなります。
怒りを抑えられなくなる
セロトニンが不足すると衝動のコントロールが上手くいかなくなり、我慢することができなくなります。
ちょっとしたことですぐにキレてしまったり、ひどい場合だと暴力的になることもあります。
ドーパミンとノルアドレナリンの暴走
セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンが正常に働くようにコントロールする役割があります。
セロトニンが正常に働いているときは、ドーパミンが分泌されると幸せを感じ、ノルアドレナリンが分泌されると集中力や記憶力がアップします。
セロトニンが不足すると、ドーパミンやノルアドレナリンが過剰に分泌されたり、不足したりします。
ドーパミンが過剰に分泌されると依存症や、幻覚などをみる統合失調症になる場合もあります。
ドーパミンが不足すると手足のしびれや歩行障害などパーキンソン病のリスクが高まります。
ノルアドレナリンは生産量に限界があるので過剰に分泌するとなくなってしまいます。
ノルアドレナリンもセロトニンと同様に不足すると「うつ病」を引き起こす原因になります。
最後に
幸福物質と呼ばれるセロトニンですが、効果や役割は広範囲に及びます。
ただ、私たち人間が穏やかな気持ちで生活する上でなくてはならない存在です。
セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの効果を発揮するための土台でもあります。
日ごろからセロトニンを増やす習慣をつけるように意識しましょう!
セロトニンの増やし方については次の記事で紹介しています。
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セロトニンを増やすには?簡単にできるセロトニン分泌を促進する方法!
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