「アドレナリンは聞いたことがあるけどノルアドレナリンって一体なに?」という方は多いのではないでしょうか?
ノルアドレナリンは私たちがストレスや不安に立ち向かうためにとても大切な脳内物質です。
ただ、辞書で調べても難しい用語が並んでいるので理解するのが難しいかと思います。
この記事ではノルアドレナリンの基礎知識から活用法まで、簡単にわかりやすく解説していきます。
読み終える頃にはノルアドレナリンのメリットや注意点、上手な使い方まで理解できて生活に役立てることができます。
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ノルアドレナリンとは簡単にいうと何?
ノルアドレナリンとは脳内で分泌される神経伝達物質の一つです。
神経伝達物質については別記事「神経伝達物質とは簡単にいうと何?」で紹介しているのでここでは省略しますが、私たちの体や心、脳のパフォーマンスに関係する大切な物質です。
ちなみに私たちが「喜び、悲しみ、怒り、不安、恐怖」などの感情を抱くのは、脳内で神経伝達物質が分泌されるからです。
今回ご紹介するノルアドレナリンは別名「闘争と逃走のホルモン」と呼ばれており、特にストレスがかかって「戦うべきか」、「逃げるべきか」の選択を迫られる状態で分泌されます。
ではノルアドレナリンが分泌されるとどのような効果があるのか見ていきましょう!
ノルアドレナリンの作用とは?
先ほども紹介したように、ノルアドレナリンは別名「闘争と逃走のホルモン」と呼ばれています。
例えば山でクマと遭遇したときなどに、目の前の危機から逃れるために脳はノルアドレナリンを分泌させます。
ノルアドレナリンには覚醒作用があり眠気を飛ばしてくれます。
そしてクマとの遭遇は1つのミスが命取りとなるので、判断を誤らないように集中力が高まります。
また、ノルアドレナリンには鎮痛作用もあるので逃走中に怪我をした場合には痛みを軽減してくれます。
このように、ノルアドレナリンは目の前の危機から回避するために、脳や体のパフォーマンスを高める働きがあります。
ここではクマを例に出しましたが、適度なストレスでもノルアドレナリンは分泌されます。
例えば学生の頃、授業中に問題をランダムで当ててくる先生が一人くらいはいたかと思います。
こうした授業を受けている時は、「しっかりと話を聞いておかないとヤバイ!」と思い、眠気が吹き飛んで集中した経験はありませんか?
こうした緊張をともなう集中の裏にはノルアドレナリンが関係しています。
ノルアドレナリンの活用法
ノルアドレナリンには目の前の危機を乗り越えるために集中力や判断力といった脳機能を高める働きがあります。
ただ、一人で勉強をしたり仕事に取り組むときは誰も活を入れてくれないのでなかなかノルアドレナリンは分泌されません。
そこで有効なのが締め切り効果です。
あなたにも、夏休み終了の3日間くらいで一気に宿題を終わらせた経験はありませんか?
これは「残りの3日間で完成させないとヤバイ!」という思いからノルアドレナリンが分泌されて成せる技です。
仮に「今回3日間でやり遂げたから、来年は夏休みの開始3日間で終わらせて遊びまくろう!」と思ってもこれはうまくいきません。
仕事の現場では「余裕をもって取り組みなさい」と言われますが、場合によっては締め切り間際で取り組んだ方が効率が上がることがあります。
会社に莫大な損害を与えるようなことを後回しにするのは良くありませんが、締め切りを守らなければ自分の評価が下がってしまうといった適度なストレスはプラスに働きます。
敢えて自分を追い込む!
これがノルアドレナリンを活用するうえで大切になります。
継続的にストレスがかかると…
短期的なストレスはノルアドレナリンの分泌を促してプラスに働いてくれますが、継続的なストレスは逆効果です。
ストレスが継続的にかかるとノルアドレナリンが分泌されっぱなしになり、生成が追い付かず足りない状態になってしまいます。
継続的なストレスによりノルアドレナリンが不足すると、うつ病や不安障害、自律神経失調症などの原因になります。
授業中に普段穏やかな先生が叱ったりすると適度な緊張が生まれて学生の集中力を高めることができます。
ただ、いつも怒ってばかりだと逆効果に働きます。
これは親が子供をしつけるときにも言えます。
ここぞというときに叱るとプラスに働きますが、叱ってばかりいると伸びるどころかやる気を奪ってしまうので注意が必要です。
ノルアドレナリンを活用した集中力は短期決戦向きです。
ここぞというときに使うようにしましょう!
ノルアドレナリンの分泌を正常にする方法
ここではノルアドレナリンが正常に分泌されるために必要なことを紹介します。
癒しのホルモン「セロトニン」を分泌させる
セロトニンは、ドーパミンとノルアドレナリンに並ぶ三大神経伝達物質の一つで、別名「癒しのホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンについては「幸せホルモン【セロトニンとは?】どこよりも簡単に効果を解説!」で紹介しているので詳しい説明は省きます。
セロトニンにはドーパミンやノルアドレナリンの分泌を調整する働きがあり、セロトニンがしっかりと分泌されることでドーパミンやノルアドレナリンの恩恵を受けることができます。
セロトニンを分泌させる方法については「セロトニンを増やすには?簡単にできるセロトニン分泌を促進する方法!」をご覧ください。
ノルアドレナリンの栄養を摂り入れる
ノルアドレナリンを活性化しようとしても、原料がないと分泌することができません。
ノルアドレナリンの原料は「フェニルアラニン」という必須アミノ酸の一種です。
フェニルアラニンは肉類、魚介類、大豆製品、乳製品、チーズ、アーモンドなどに含まれています。
また、フェニルアラニンからノルアドレナリンを生成するにはビタミンCが必要です。
フェニルアラニンもビタミンCもバランスのとれた食事をしていれば基本的には不足することはありません。
フェニルアラニンやビタミンCを含む食べ物は検索するとたくさんでてきますので、普段から意識して食べるようにしておきましょう。
ストレスからの解放
ストレスがかかったときにノルアドレナリンが分泌されるためには、普段はできるだけストレスから解放されなければいけません。
あなたは休暇中や旅行中にまで仕事のことを考えてしまうことはありませんか?
脳は現実と想像の区別ができないため、いやなことを思い出したり、不安なことを思い浮かべるだけでもノルアドレナリンが分泌されます。
休む時にはしっかりと休んで、動くときにはしっかりと動く!
メリハリをつけることで、いざというときにノルアドレナリンがしっかりと活役してくれるようになります。
ストレス対策については別記事でも紹介していますのでよければ合わせてご覧ください。
ノルアドレナリンの簡単なまとめ
今回はノルアドレナリンの基礎から活用法までを簡単に紹介してきました。
ノルアドレナリン以外にも私たちの生活に役立つ神経伝達物質はいくつもあります。
この記事の最後に代表的な神経伝達物質のリンクを載せていますので、そちらもご覧ください。
それでは最後に、ノルアドレナリンとは何なのかを簡単にまとめておきます。
ノルアドレナリンまとめ)
<ノルアドレナリンとは>
- 脳内で分泌される神経伝達物質の一つ。
- 別名「闘争と逃走のホルモン」とも呼ばれており、目の前の危機を乗り切るために必要。
<ノルアドレナリンの効果>
- 集中力や判断力が上がる。
- 覚醒作用で頭がスッキリとする。
- 鎮静作用で痛みを軽減するなど。
<ノルアドレナリンの注意点>
- 短期的なストレスにはプラスに働くが継続的なストレスでは逆効果。
- 継続的なストレスはうつ病や不安障害、自律神経失調症などの原因になる。
<ノルアドレナリンが正常に分泌されるには>
- セロトニンを活性化するとノルアドレナリンの分泌を調整してくれる。
- ノルアドレナリンの元となる「フェニルアラニン」や「ビタミンC」を摂る
- 休む時と行動するときのメリハリをつけて、ストレスを抱え込まない。
<ノルアドレナリンの活用法>
- 締め切り効果で自分を追い込むと集中力UP!
- 子供に使う場合は、褒めるときと叱るときのメリハリをつける。
ノルアドレナリンによる脳機能の向上は、短期的に使うことで効果を発揮します。
ノルアドレナリンは私たち人間がストレスを乗り越えるためになくてはならない物質です。
ただ、使い方を間違うと私たちの人生を良くない方向へと加速させることもあります。
今回ご紹介した内容を理解して、あなたの人生にノルアドレナリンを有効活用していただけると幸いです。
使い方さえ間違わなければノルアドレナリンはあなたの人生をより良いものにしてくれます。
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