普段何気なく布団に入って、いつも決まった姿勢で寝ている人は多いのではないでしょうか。
もし、疲れが取れない、首痛や腰痛がひどい、肌が荒れやすいなどの症状に覚えがあるなら、ひょっとしたら睡眠時の寝方が原因かもしれません。
コンテンツ
体にいい「仰向け」の寝方
仰向け睡眠のメリット
仰向けは一般的にもっとも健康に良いと言われる寝姿勢です。
仰向けには次のようなメリットがあります。
背骨への負担がもっとも少ない
仰向け姿勢は寝姿勢の中でもっとも背骨への負担が少なく、背骨の歪みが起こりにくいのが特徴です。
また仰向け姿勢は体全体で体重を支えることができるので肩や腰への負担もおさえることができます。
血流が良い寝姿勢
仰向け姿勢は局部が圧迫されずに全体的に体を支えるので血液の流れが良い姿勢でもあります。
そのため血栓などもできにくく、むくみの対策にもなります。
顔の肌にも優しい
仰向け姿勢には美容に関心の高い人にとっても嬉しい効果があります。
仰向け姿勢は顔が圧迫されないので肌呼吸が妨げられません。
そのため、吹き出物やシワが現れにくいというメリットもあります。
放熱がしやすく深い睡眠に入りやすい
人が深い睡眠にはいるためには体の深部体温がしっかりと下がる必要があります。
仰向けで手足を広げることで手足の放熱がしやすくなり、スムーズに深い睡眠へと入ることができます。
内臓への負担が少ない
仰向けはお腹への圧迫が少ないため、胃酸の逆流といった消化器官のトラブルも起きにくくなります。
ここまで仰向けのメリットを聞いて「よし!今日から仰向けで寝よう!」と思っていただければ幸いですが、デメリットもあるので確認しておきましょう!
仰向け睡眠のデメリット
気道がふさがり、いびきの原因に
仰向けで寝ると、舌の根元が重力で下がって気道を塞いでしまい、呼吸がしづらくなる場合があります。
また、太り気味の人や、体型の割に喉に脂肪が多い人は、喉の周りの脂肪のせいで呼吸がしづらくなる恐れもあります。
こうしたことが原因で、いびきや睡眠時無呼吸を招くリスクが増えます。
寝具が合わなければ逆効果に
仰向け姿勢は寝具によって、逆に背骨のカーブが歪む原因にもなります。
背骨の歪みは脳や体にとってさまざまな影響があります。
たとえば首や背中、頭に痛みが生じたり、脳の血流不全などがあげられます。
脳の血流不全は当然ながら脳全体の機能が低下し、さらに眼精疲労・頭重・頭痛などといった体の不調が現れます。
仰向け睡眠の質を上げるコツ
枕を高くしすぎない
デメリットの部分で紹介しましたが、仰向けは寝具の選び方で逆に背中への負担が大きくなってしまいます。
まず気を付けたいのが枕の高さです。
枕が高すぎると背骨の歪みの原因となり首や背中、腰などに痛みが生じる場合があります。
また、頭の位置が高いと脳に血液を送るのも大変になります。
高すぎる枕は体にも脳にも良くないので、枕が高すぎる場合はすぐに見直しましょう。
マットレスの硬さを適度なものに
枕と同じように、マットレスも硬さによって背骨の歪みの原因になってしまいます。
硬すぎても良くないし、柔らかすぎて支えが弱すぎるものも良くありません。
マットレスに沈んだ時に、背中のカーブが自然な状態になる硬さのものを選びましょう。
体にいい「うつ伏せ」の寝方
うつ伏せ睡眠のメリット
気道が広がりいびきの軽減になる
仰向けとは逆に、うつ伏せは気道を確保していびきの軽減につながります。
また、無呼吸症候群の一部を改善する効果もあるので、こうした症状に悩んでいる方は試してみる価値はあります。
安心感が得られて入眠しやすい
陸上に生息している多くの哺乳類は寝るときにうつ伏せの姿勢をとります。
うつ伏せは別名「内臓を守る姿勢」とも言われており、うつ伏せでお腹を隠すことで本能的に安心感が得られます。
うつ伏せによって安心感が得られると入眠がしやすくなります。
うつ伏せ睡眠のデメリット
腰への負担が大きい
うつ伏せで手足をまっすぐ伸ばして寝ると、腰への負担が大きくなります。
その状態が長時間続くと腰椎の自然なカーブが損なわれて背中が痛くなる恐れがあります。
首への負担が大きい
うつ伏せは寝方によって、一晩中首を過剰に伸ばすことになります。
首への負担が大きく首を痛める恐れがあるので正しい姿勢で寝る必要があります。
うつ伏せ睡眠の質を上げるコツ
枕は使わない
デメリットの所でも言いました、うつ伏せは寝方によって首への負担が大きくなります。
その代表的なものが枕です。
うつ伏せで寝る場合は枕の高さというより、枕自体が必要ありません。
うつ伏せで寝ていて首が痛い場合は今日から枕なしで試してみてください。
どちらか一方の膝を曲げる
うつ伏せは手足をまっすぐに伸ばすと腰への負担が大きくなります。
片方の膝を曲げて股関節を開くだけで負担が軽減されるので試してみてください。
枕をお腹の下に入れる
さきほどうつ伏せに枕は必要ないと言いましたが、頭ではなくお腹の下に入れることで腰や首への負担が軽減されます。
できれば硬い枕の方が実感しやすいのですが、柔らかい枕しかない場合は、タオルを丸めてお腹の下に入れても大丈夫です。
体にいい「横向き」の寝方
横向き睡眠のメリット
いびきと呼吸の改善
横向きは仰向けよりも気道が確保されるので、呼吸がしやすく、いびきがでにくい姿勢です。
そのため、喉の脂肪が多い方や睡眠時無呼吸症候群の方にも、横向きで寝ることが推奨されています。
左向きで寝ると体に良いことがいっぱい
右を下にするか、左を下にするかは観点の違いにより諸説ありますが、ここでは左を下にして眠ることをおススメします。
左向きに眠るとリンパ系の機能が活発になって体から毒素を排出しやすくなります。
逆に右向きに眠るとリンパの活動が抑えられ、体に毒素が溜まりやすいと言われています。
毒素が溜まると致命的な病気になるリスクが高まったり、お肌にとっても良いことはありません。
また、左向きで寝ると胃酸の逆流や胸やけといった消化器官の問題が軽減されることがわかっています。
横向き睡眠のデメリット
夜中に目が覚めやすい
横向きになると体重を支える面が狭くなり、血流が悪くなりやすいです。
肩などが圧迫されて血流が悪くなると、神経機能が低下して痺れが生じてしまいます。
そうなると、夜中に目が覚めて睡眠の質を下げてしまいます。
横向き睡眠の質を上げるコツ
枕を高くしすぎない
仰向け同様に、横向きの場合も枕の高さがとても大切です。
枕が高すぎると背骨の歪みや血液の流れが悪くなります。
枕の高さを調節して、頭が高くなりすぎないように注意しましょう。
体重を分散する
肩に体重を乗せると血流が悪くなり、腕がしびれて夜中に目が覚めてしまう場合があります。
横向きで寝るときは、肩に直接体重を乗せるのではなく、少しだけ重心をずらして体重を支える面を増やすと睡眠の質が上がります。
体にいい寝方まとめ
ここまで、仰向け、うつ伏せ、横向きの寝方について紹介してきました。
最後に、「結局どの寝方が良いの!?」という方に向けて、お勧めの寝方をまとめます。
一般的に一番良いとされる寝方は「仰向け」です。
いびきが酷かったり、睡眠時に無呼吸になることがあるなら「横向き」。
ストレスや不安が原因で寝付きにくい場合は「うつ伏せ」。
つまり、仰向けで寝ることが難しい状態にある方以外は仰向けで寝た方が良いということです。
太り気味で気道が確保できない場合は、ダイエットをして最終的には仰向けへ。
不安で寝付けない人はストレス対策をして最終的には仰向けで寝れるようにしていだければと思います。
仰向けの習慣がありながら、睡眠の質に満足していない場合は枕の高さを見直すところから始めてみてください。
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