運動が美容や健康によいことは誰もがわかっていることだと思います。
ただ近年、数々の研究によって運動が脳にもとんてもない好影響を与えていることが報告されています。
この記事では、運動が私たちにもたらす驚愕の効果について紹介しています。
読み終えるころには運動に対する考え方が大きく変わりますよ!
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運動で脳が活性化したときの効果がスゴイ!
これまで脳は成長のピークを迎えると衰えていく一方だというのが定説でした。
それが最新の研究により、脳の部位によっては年齢に関係なく成長を続け、衰えた脳も回復することが可能だということがわかっています。
どうすればそんなことが可能なのか?
その答えが今回ご紹介する運動です。
運動をすることで脳は活性化し、さらには脳構造そのものをアップグレードさせる働きがあります。
それでは運動によって脳がアップグレードすると私たちにどのような効果があるのかを見ていきましょう!
集中力、モチベーションが上がる
運動には集中力を高めるドーパミンの分泌を促す効果があります。
ドーパミンは目標を設定したり、達成したときにドバッ!とでる神経伝達物質ですが、もっと手軽に出す方法が2つあります。
ドーパミンを手軽に出す方法
- ADHDの薬
- 運動
運動も薬と同様に即効性があり、運動直後から集中力向上効果が表れます。
薬の場合は副作用がでたりするので、運動の方が健康に良いのは明らかですよね。
また運動をすると脳の前頭前野という部分が活性化します。
前頭前野は集中力や思考力、判断力などを司っている部位です。
しかも一時的に活性化させるだけではなく、運動を続けることで実際に前頭前野が大きくなります。
つまり運動には、即効性の集中力を高める効果と、脳そのものを集中しやすい構造にアップグレードする効果があります。
また、ドーパミンにはモチベーションを上げる効果もあるので、勉強や仕事でやる気がでない場合は運動をすることでやる気スイッチを入れることができます。
記憶力が上がる
運動をすると前頭前野のほかに記憶を司る「海馬」という部位が活性化します。
記憶力も集中力と同様に即効性があり、運動すればその場で効果が表れることがわかっています。
運動直後に記憶力が20%も向上したり、筑波大学の研究ではたった10分ものすごく軽いペダリング運動(自転車を漕ぐような運動)を行っただけで記憶力が上がったという報告もあります。
また前頭前野とおなじように海馬も運動を続けることで大きくなることがわかっています。
通常であれば海馬は1年で1%ほど小さくなり、それだけ記憶力の低下につながると言われています。
ただ、週に3回ほど運動するだけで1年前より海馬が2%大きくなった。
つまり差し引き3%も運動によって海馬が大きくなったということです。
このように運動には即効性の記憶力向上効果と、脳そのものが記憶しやすい構造に変える働きがあります。
不安やストレスに強くなる
運動がストレスに与える効果については「なぜ運動がストレス解消やストレス耐性に効果的なのかメカニズムを紹介!」で説明しているので、ここでは要点だけを紹介します。
まず運動には、今抱えているストレスを解消する効果と、ストレスを感じにくくするストレス耐性強化の働きがあります。
本来であれば人の脳はストレスを受けると一時的に神経細胞に傷がつきますが、ストレスの原因が取り除かれることで傷がつく前よりも強くなって回復するようにできています。
ただ、現代人特有の社会的ストレス(仕事や将来の不安、人間関係など)は根本的からストレスを解消するのが難しく、脳が回復するタイミングを失ってしまい委縮していきます。
この脳の萎縮をくいとめ、回復するために効果的なのが運動です。
運動をすることで脳の回復システムにスイッチが入ります。
スイッチが入ると脳を修復するために必要な成長因子などが分泌されて脳を回復します。
前頭前野は集中力だけではなく感情をコントロールする働きもあるので、脳が回復して前頭前野が大きくなることでストレスを受けにくい脳に変わります。
また、セロトニンやGABA、ANPといった物質が分泌されることや、ストレスホルモンのコルチゾールを減少させることで現状の不安やストレスを軽減する効果もあります。
運動は抗うつ剤にも勝る
長期的なストレスや不安が長引くと「うつ病」の原因にもなります。
運動はうつ病にもかなり効果的なのことが科学的研究で証明されています。
たとえば、米国デューク大学医学部のブルメンサル教授の研究が有名です。
実験内容は鬱患者156名を次の3つのグループにわけました。
- 抗うつ薬を使用するグループ
- 一日30分の有酸素運動を週3日おこなうグループ
- 両方を行うグループ
16週間にわたり上記の方法で治療をおこなったところ若干の差はみられたものの、すべてのグループでうつ病の改善効果がみられました。
それぞれ鬱病と診断されなくなった人の割合は、抗うつ薬のグループが65.5%、運動のグループが60.4%、両方おこなったグループが68.8%という結果でした。
これだけみると運動が一番数値は低いですが、運動はここからがスゴイです。
治療後6ヶ月以内の再発率を調べたところ、薬で治療をしたグループの38%が再発したのに対して、運動で治療したグループの再発率はわずか8%でした。
またドイツでおこなわれた研究によると、運動で鬱治療をおこなったグループでは半数以上が10日ほどで効果が表れたのに対して、薬を使用したグループでは2週間から4週間とばらつきがあったそうです。
さらに運動が抗うつ薬より優れているのが、抗うつ薬は軽度の鬱にはほとんど効果がありません。
ただ運動であれば軽度の鬱症状にも効果があることがわかっています。
今回ご紹介した研究結果だけでも、運動が精神疾患に与える効果の大きさをご理解いただけるかと思います。
学力が上がる
運動によって脳が活性化することで、実際に学力にも良い影響がでると言われています。
たとえばスウェーデンの小学校で、体育の授業を週2回おこなうクラスと毎日おこなうクラスにわけたとろこ、毎日体育の授業をおこなったクラスのほうが算数、国語、英語の成績が良かった。
またアメリカでも同様の研究が行われましたが、同じような結果がでました。
理由としてはすでに紹介したように、運動によって前頭前野や海馬が活性化することで学習能力が上がったためと考えられています。
研究では子供が対象になっていますが、大人でも同様の効果が得られると言われていますので、新しい知識をいれたいときには机に向かう前に、30分ほどの軽い有酸素運動を取り入れてみてください。
最後に
ここまで運動が私たちに与える影響について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した内容以外にも運動には素晴らしい効果があります。
たとえば
- 脳の老化防止
- アルツハイマー発症リスクの軽減
- 自制心の向上
- 勉強や習い事の習得が早くなる
- コミュニケーション能力の向上
など、あげたらキリがないほどです。
運動の効果を詳しく知りたい場合は「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方」という本がお勧めです。
また運動の凄いところは、一時的に能力を発揮するテクニック的なものではなく、物理的に脳構造そのものを変えてしまうということです。
テクニックも大切ですが、運動によって土台を固めることで大きな相乗効果が期待できます。
体を動かす習慣がない方は、まずは少しだけでも運動を意識するところから始めてみてください。
3ヶ月も続ければあなたの心身に大きな変化がきっと現れますよ!