仕事で失敗したり、失恋したり、うっかりと失言してしまって相手を嫌な気持ちにさせてしまって後悔したり…。
こういうことは人生のなかで誰にでもあることです。
ただ、同じような失敗をしても気持ちを切り替えて前向きになれる人と、いつまでもくよくよとしてしまう人がいます。
両者の違いは何なのでしょうか?
シェフィールド大学でおこなわれた研究によると、両者の違いは性格ではなく、くよくよしない人の多くが「シチュエーションセレクション」という方法を無意識のうちにおこなっていたそうです。
この記事では、シチュエーションセレクションとは何なのか?
また、シチュエーションセレクションを行うコツについても紹介していますので参考にしてみてください。
くよくよしない方法!シチュエーションセレクションとは?
まず結論からいうと、シチュエーションセレクションとは嫌なことがあったときに楽しいことを計画するという心理テクニックです。
誰かに嫌味を言われて嫌な気分になったら好きな人とのお出かけの計画をたてたり、仕事で失敗して嫌な気分になったら美味しい物を食べにいく計画をたてたりというように、嫌なことがあったら楽しいことを計画するというものです。
また、楽しいことは実際にやらなくても計画するだけで効果があることがわかっています。
あまりにも普通の内容でガッカリしたかもしれませんが、多くの人が実際にはできていないことが次の研究でわかっています。
シェフィールド大学が301人の男女を対象におこなった研究では、嫌なことがあったときにシチュエーションセレクションをしている人はほとんどいなかったそうです。
実際に嫌なことが起こると半数以上の人が次のような行動に出たそうです。
- 嫌な感情をそのまま抑え込もうとする。
- 嫌な感情からただ意識をそらそうと頑張る。
- 他人のアドバイスに従う
原因の一つとして、特に感情が敏感な人ほど嫌なことがあると視野が狭くなってしまいます。
そのため、実際に嫌なことが起こると「楽しいことを考えれば良い」ということを忘れる傾向にあるようです。
また、シチュエーションセレクションとネガティブな感情やウツとの相互関係を調べたところ、シチュエーションセレクションをとっている人たちは嫌なことがあっても感情を切り替え、立ち直るのが早い傾向にあることがわかっています。
くよくよしない方法を自然にできるようにするコツ
落ち込んだときにシチュエーションセレクションをするコツは「自分ルールを作る」ことです。
例えば、どんなに気分が落ちていたとしても、とりあえず楽しいことを考えるというルールを作ります。
不思議なもので、ルールとして捉えると感情に流されずに割り切って行動に移しやすくなります。
そして、このルールにもう一つ付け加えていただきたいのが、嫌なことがあればすぐに割り切った言葉を使うということです。
人の気持ちと言葉は密接に関係しているので、落ち込んだ時にはそれを継続させない言葉を思い浮かべることが大切です。
- 「まぁ、いいか!」
- 「これから気を付ければいい!」
- 「考えてもしょうがない」
とか、あなたの好きな言葉をルール化してみてください。
流れとしては次のようになります。
嫌なことが起きる!
「まぁ終わったことは考えても仕方がない!」
楽しいことを計画するルールに従おう
ここで気分が乗らない場合も、「とりあえずルールで決めたし少しだけでもやってみよう」というように、ほんの少しで良いので行動に移してみてください。
脳は同時に2つのことは考えられないので、楽しいことを考えている間は強制的に嫌なことが消えるようになってます。
楽しいことを考えている最中に嫌なことが思い浮かぶ場合は、脳が楽しいことと嫌なことの処理を行ったり来たりしている状態です。
楽しいことを考える時間が長くなると、落ち込んだ状態から早く抜け出せるようになってきます。
落ち込んだ時に一番やってはいけないこと
くよくよしない方法について紹介してきましたが、落ち込んだ時に一番やってはいけないことがあります。
それは、「落ち込むことが悪い」と考えてしまうことです。
落ち込むことが悪いという考えを持っていると、落ち込んでいる自分は今悪いことをしているという感情が湧いてきます。
するとさらに気分が落ちて、くよくよするループからなかなか抜け出せなくなってしまいます。
落ち込むことは人なら当然ですし決して悪いものではありません。
落ち込むことによって次はそうならないように気を付けようと思いますよね。
くよくよしない方法のまとめ
それでは最後に要点をおさらいしておきましょう!
今回のポイント)
<シチュエーションセレクション>
嫌なことがあったときに楽しいことを計画する心理テクニック。
※実際にやらなくても計画するだけでオッケー。
<クヨクヨしない人>
嫌なことがあったときに楽しいことを考える
<クヨクヨする人>
- 嫌な感情をそのまま抑え込もうとする。
- 嫌な感情からただ意識をそらそうと頑張る。
- 他人のアドバイスに従う
<シチュエーションセレクションのコツ>
嫌なことがあればシチュエーションセレクションをやってみるという自分ルールを作る
嫌なことがあれば「まぁ、いいか」など割り切った言葉を使う
今回ご紹介したシチュエーションセレクションは、内容だけ聞くと誰もが知っている普通のテクニックです。
ただ、実際に嫌なことが起きた時に使えている人は少数でした。
意識するだけでとても簡単に使える方法なので、是非ためしてみてください。
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