この記事ではいくつかの研究結果をもとに、集中力を高める2つの飲み物と、効果的な飲み方を紹介します。
記事をご覧になられてる方の中にも普段から飲んでいる可能性がある飲み物ですが、飲み方を工夫することで集中力を高める効果が期待できます。
手軽にできますが効果は抜群なのでぜひ参考にしてみてください。
集中力を高める飲み物と効果的な飲み方
それでは早速、集中力を高める飲み物と飲み方について紹介していきたいと思います。
水
意外かもしれませんが、集中力を高める飲み物の一つ目は「水」です。
「なんだ、水か…」と思うかもしれませんが、ここでは2つほど水と集中力の関係を調べた研究をご紹介します。
水の集中力を高める効果
イースト・ロンドン大学とウエストミンスター大学の研究によると、知的作業を行う前に水を500ml飲んだ人は、飲まなかった人に比べて作業効率が14%も上がりました。
その後、喉の乾いた人に対しても実験を繰り返したところ、頭の回転の速さの違いがハッキリと見られました。
(Frontiers in Human Neuroscience からの研究結果)
2つ目は、喉が渇いていない人に対して水を飲ませるとどうなるのかを調べた研究です。
水の飲む量を次の3つのグループにわけました。
- 水を飲まないグループ
- 25mlの水を飲むグループ
- 300mlの水を飲むグループ
そして水を飲んでから20分後の集中力と記憶力を計るテストをしたところ次のような結果になりました。
<集中力>
- 水を飲まないグループ:1%低下
- 25mlの水を飲むグループ:12%向上
- 300mlの水を飲むグループ:23%向上
<記憶力>
- 水を飲まないグループ:1%低下
- 25mlの水を飲むグループ:2%向上
- 300mlの水を飲むグループ:6%向上
(参考文献:ScienceDirect)
つまり、水を飲まないと徐々に集中力や記憶力は下がり、水を飲むことで集中力や注意力、記憶力などの認知機能が向上するということです。
ここでは2つの研究をご紹介しましたが、水が集中力や記憶力などに与える影響はいくつもの研究で良い結果がでています。
コンビニや自動販売機でもすぐに買えて、どんな場面でも使いやすい飲み物なので活用しない手はないですね。
水の効果的な飲み方
研究結果だけをみると、300~500mlの水を飲むと効果は大きいように感じますが、正直この量を何度も飲むのはなかなか厳しいと思います。
試験や面接、人前などのプレゼン前にこれだけの水を飲むとトイレに行きたくなって逆効果に働く場合も考えられます。
また、人は集中している場面ではつい水分補給を忘れがちです。
先ほど紹介した2つ目の研究には続きがあり、300ml以上の水は喉の渇きを56%低下させますが、少量の水は喉の渇きを11%増加させるという結果が出ています。
ちなみに水を飲まなかったグループの喉の渇きは6%の増加であり、25ml飲んだグループの方が喉が渇きやすくなるそうです。
つまり、少量の水をチビチビとこまめに飲む方が喉が渇くのでムリなく水分補給ができて、長期時間にわたって高い集中力を維持できます。
カフェイン
集中力を高める2つ目の飲み物は「カフェイン」です。
カフェインが集中力を高めることは有名なので、すでにコーヒーを愛用している方は多いと思います。
ただ飲み方を工夫することで集中力をさらに高めることができます。
カフェインの効果的な飲み方
あなたはコーヒーや紅茶を飲むときにどのような飲み方をしていますか?
人によってはブラックで飲んだり、ミルクを入れたり、砂糖とミルクを入れたりと様々だと思います。
中には糖分が脳の栄養になるということで敢えて砂糖を入れている方もいるかもしれません。
砂糖にも様々な種類がありますが、よく使われている白砂糖を入れている場合は注意が必要です。
白砂糖には血糖値を一気に上げる作用があります。
血糖値が一気に上がると体内では過剰な血糖値の上昇を抑えるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンにより血糖値が急激に下がると、人は空腹を感じるようになります。
するとまた甘いものが食べたくなり血糖値が急激に上がっては下がるの繰り返しを起こします。
このような血糖値の乱高下が起きると、脳への安定したエネルギー供給ができなくなり、集中力を下げる原因になります。
もしコーヒーや紅茶に糖分を入れたい場合は、蜂蜜であれば血糖値の上昇が緩やかなのでおすすめです。
また、コーヒーはブラックで飲むよりもミルクなどの乳製品を入れて飲んだ方が、長時間カフェインのメリットが持続します。
これは乳瀬品に含まれる脂肪分がカフェインの吸収を穏やかにしてくれるため、カフェインが切れたときのダルさといった症状を緩やかにしてくれるためです。
コーヒーや紅茶のお勧めの飲み方は砂糖は使わずミルクだけを入れる。
もしくは、ハチミツなど血糖値の乱高下を引き起こさない糖分と一緒にとると良いです。
ちなみに飲む量は少し大きめのカップ一杯分(約200ml)で効果がでます。
集中力を高めに2~3杯を一気に飲まないようにしてください。
昼の集中力を高めるカフェインの飲み方
お昼ご飯を食べた後は眠気がやってくる間の時間帯カフェインは上手にとると集中力を高めてくれる強い味方になりますが、仮眠と組み合わせることで更に効果を発揮してくれます。
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カフェインは飲む時間帯が大切
カフェインは集中力を高めるうえで強い味方になってくれますが、飲む時間帯には気を付ける必要があります。
朝一で飲むと日中活動的に動くために必要なコルチゾールの分泌を阻害してしまします。
また、カフェインの持続効果は長いため夕方以降に摂取すると睡眠の質を落としてしまいます。
一般的にカフェインは朝の9時以降から14時くらいまでであれば集中力を高める味方になってくれますが、それ以外の時間で飲むと逆にパフォーマンスを下げる原因になるので注意してください。
集中力を高める飲み物と飲み方のまとめ
それでは最後に今回の記事の要点をまとめます。
今回のポイント
<集中力を高める飲み物>
- 水
- カフェイン(コーヒー、紅茶など)
<水の効果的な飲み方>
- 水はチビチビとこまめに飲むと良い。
<カフェインの効果的な飲み方>
- カフェインはミルクを入れることで、カフェインが切れた時のダルさを軽減できる。
- 糖分は白砂糖は使わず、蜂蜜など血糖値の上昇が穏やかな物を選ぶ。
- カフェインは仮眠と組み合わせると昼の集中力を高めることができる。
<カフェインの注意点>
- 朝一でカフェインを摂るとコルチゾールの分泌を阻害してパフォーマンスが下がる。
- 夜間の集中力のアップのためにカフェインを摂取すると睡眠の妨げとなるので避ける。
今回ご紹介した飲み物と飲み方は、受験勉強や仕事中でも比較的簡単に集中力をアップできる方法なので是非参考にしてみてください。
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