私たちが健康に生きていくうえで大切なドーパミンとアドレナリンですが、違いがよくわからないというご質問をいただきました。
今回はドーパミンとアドレナリンの違いについて、少し長いですがわかりやすく解説しますのでご覧ください。
ドーパミンとアドレナリンの違い
ドーパミンとアドレナリンの違いを知るために、まずはそれぞれの特徴についてご説明します。
ドーパミンとは?
ドーパミンとは別名「幸福物質」と言われる脳内で分泌される神経伝達物質です。
まずはドーパミンが分泌されるとどのような効果があるのかを見ていきましょう!
ドーパミンの効果
ドーパミンが分泌されることで私たちは幸せを感じることができます。
つまり幸せになる方法を知りたければドーパミンを分泌させる方法を知れば良いということです。
また、ドーパミンは脳内のワーキングメモリと言われる部分に深く関係しています。
ドーパミンによりワーキングメモリが活性化すると情報処理能力や集中力、注意力が高まります。
さらにドーパミンは脳内の海馬といわれる部分にも深く関係しています。
海馬は学習や記憶をつかさどる役割があるので、ドーパミンが分泌されると記憶力があがり物覚えがよくなります。
ドーパミンの特徴として、より強い快感を求める性質があります。
何かを達成してドーパミンが出ると、前回よりも更に大きな快感を求めます。
そこで、モチベーションややる気をアップさせて、あなたが行動してくれるように促してきます。
ただ、脳は飽きやすく同じ内容を何度も達成しているとドーパミンは分泌されなくなります。
前回達成した内容よりも少しだけ難しいものを脳は好みます。
例えば、ゲーム「ドラゴンクエスト」の場合、ずっとスライムばかりを倒していると達成感を感じなくなってきます。
逆にレベル10でラスボスに挑むと相手が強すぎてやる気がなくなります。
頑張ればなんとか倒せるレベルの相手を倒してこそ達成感を感じることができます。
このドーパミンの性質をうまく使うことで、あなたの自己成長を何倍にも加速してくれます。
ドーパミンはいつ出るの?
ドーパミンは何か目標を設定しているときや、目標を達成して「やった!」と思ったときに分泌されます。
例えば旅行の場合であれば、プランを計画しているときと旅行中にドーパミンが分泌されてワクワク・ドキドキした気持ちになります。
他にも独立して企業したい場合であれば、起業したタイミングと事業計画を考えているときにドーパミンが分泌されます。
ドーパミンを使った目標設定については次の記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。
ドーパミンが過剰分泌、不足した場合
幸せホルモンのドーパミンですがたくさん出れば良いというわけではありません。
ドーパミンの過剰分泌でおこる代表的な症状が「依存症」です。
お金が底を尽きるまで買い物をしてしまったり、借金してまでスロットにハマる例も報告されています。
人の悪口をやめられないのもドーパミンによる依存症状の一つです。
関連記事:悪口でストレス発散は嘘?脳科学でわかった悪口を言わない方が良い理由
依存症の他にもドーパミンが過剰分泌されると幻覚をみたりする「統合失調症」のリスクも高まります。
逆にドーパミンが不足した場合は、運動機能にも影響を与えます。
手足のしびれや、歩行障害など、パーキンソン病のリスクが高まります。
ドーパミンは人生を豊かにしてくれる最高の物質ですが、使い方によってはマイナスに働くことも知っておきましょう。
アドレナリンとは?
アドレナリンは「闘争・逃走ホルモン」ともいわれる興奮物質です。
アドレナリンについても効果から見ていきましょう!
アドレナリンの効果
アドレナリンが分泌されると血糖値が高くなり、ドーパミンと同じように集中力や記憶力、判断力などが高くなります。
またアドレナリンは脳への影響だけではなく身体にも変化が起こります。
心拍数や血圧が高まり、筋肉に血液がいきわたります。
そして身体機能や筋力を一時的に高める効果があります。
たとえば災害などで母親が子供を助けるときに、普段ではありえないほどの力を発揮する「火事場の馬鹿力」。
本番で練習以上の結果をたたき出すアスリートなどが当てはまります。
またアドレナリンには痛みを軽減する鎮痛作用もあります。
私は趣味で空手をしていますが、試合中に骨が折れたことに気づかなかったことがあります。
アドレナリンはいつ出るの?
アドレナリンは別名「闘争・逃走ホルモン」と呼ばれているように、人が恐怖や不安などを感じる神経の緊張状態に分泌されます。
つまりピンチや危機的状況に直面したときに、それを乗り越えるためにアドレナリンが分泌されます。
例えば山でクマに遭遇したとき、私たちの体内ではアドレナリンが分泌されて逃げ切るために身体機能がアップします。
また、一瞬の判断ミスが命を落としかねないので迷いをなくすために集中力と判断力などが高まります。
もし逃げている最中に怪我をして痛みで逃げ切れなくなると困るので、鎮痛作用により一時的に痛みを軽減します。
このようにアドレナリンは不安や恐怖を乗り越えるために、一時的に脳と身体機能を高めてくれます。
時間にすると30分も持ちませんが、上手く使うとスピーチや面接など緊張してドキドキする場面で最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
アドレナリンが過剰分泌、不足した場合
アドレナリンもドーパミンと同じように過剰分泌や不足によって良くない影響があります。
アドレナリンが過剰分泌されると冷静さを失って暴力的になったり、怒りっぽくなります。
さらに極度の緊張状態に陥り、普段よりも脳と身体機能のパフォーマンスが低下します。
逆にアドレナリンが不足すると、無気力、無関心といった抑うつ状態のきっかけになると言われています。
まとめ
ここまでドーパミンとアドレナリンについて、それぞれの特徴についてご説明してきました。
今回はドーパミンについて要点を簡単にご紹介してきましたが、もっとドーパミンや神経伝達物質について知りたい場合は次の2冊がお勧めです。
さらに神経伝達物質の特徴や活用法を知りたい場合は、次の2冊がわかりやすいです。
それでは今回ご紹介した内容を簡単にまとめておきます。
ドーパミン | アドレナリン | |
効果 |
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タイミング |
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過剰分泌 |
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不足 | パーキンソン病 | 抑うつ |
ドーパミンとアドレナリンは上手く利用すれば素晴らしい効果があります。
意図的に分泌させる方法などについては別記事で紹介しようと思います。
ドーパミンとアドレナリンを上手く活用して充実した人生を送りましょう!