これまで一般的には馴染みのなかった瞑想ですが、近年多くの科学的研究により脳への影響が証明されています。
GoogleやYahoo!、Facebookといった企業でも、マインドフルネス瞑想は研修として取り入れられているほどです。
この記事ではそのなかでも、マインドフルネス瞑想が集中力に与える影響とマインドフルネス呼吸瞑想の方法について説明します。
- 集中力がなかなか続かない
- 不安や心配事が頭から離れない
- 気づけば他のことを考えてしまう
- しっかりと寝てるのに疲れが取れない
もしあなたにもこのような症状が当てはまるのであれば、今回の記事をご覧になることでスッキリできます。
コンテンツ
瞑想が集中力に与える影響
脳も筋肉とおなじように使いすぎると疲労がたまって機能が低下することがわかっています。
当然ですが脳機能が低下すると、集中力や記憶力、判断力といった認知機能なども低下してしまいます。
まずはどのような行為が脳を疲れさせてしまうのかを見ていきましょう!
脳を疲れさせ集中力を奪うデフォルト・モード・ネットワークとは?
脳は体重の2%ほどの大きさなのに対して、身体が消費するエネルギーの20%も消費します。
そして脳が消費するエネルギーの60~80%がここで紹介するデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)によって消費されています。
デフォルト・ネット・ワークとは、人が意識的な活動をしていないときに活発になる脳回路のことをいいます。
もっとかみ砕いて言うと、ぼーっとして何も考えていない時に活発になる脳回路のことです。
ポイント
つまり、人は何かに集中して頭を使っている時よりも、ぼーっとしているときの方が脳のエネルギー消費が激しく疲れやすいということです。
えっ!?って感じですよね。
けど確かにぼーっとしているときって、過去のことを思い出したり、未来のことを考えたりと、結構いろんなことが頭をよぎりますよね。
不安や心配事が頭から離れなかったり、他のことを考えてしまって集中できないときもデフォルト・モード・ネットワークのスイッチがオンになっているときだと言われています。
つまり、ぼーっとするのをやめると集中力が高まり、不安や心配事に悩むことも減るということです。
マインドフルネス瞑想で脳の無駄遣いを節約
瞑想は周りから見ると何も考えずにぼーっとしているように見えますが、今目の前のことに意識を集中させています。
頭に雑念がわいたり注意が逸れたら、それに気づいて今に意識を戻します。
これを繰り返すことで、意識がそれてもすぐにそのことに気づき、目の前のことに集中する習慣が身に付きます。
デフォルト・モード・ネットワークの大半が過去や未来に意識が向いているのに対して、マインドフルネス瞑想は意識を「今」に向けます。
そして、マサチューセッツ大学准教授で心理学者のジャドソン・ブリューアー博士は、瞑想こそがデフォロト・モード・ネットワークの活動を制御できる最も手軽で効果的な方法だと発言しています。
マインドフルネス瞑想が集中力を高める流れは次のようになります。
デフォルト・モード・ネットワークで色んなことが頭に浮かぶ
マインドフルネス瞑想で意識を「今」に戻す
脳のエネルギーを節約して脳機能が回復
脳の構造自体も変える
最後の「脳の構造自体も変える」についてですが、ジャドソン・ブリューアー博士によると瞑想は一時的な脳機能の回復ではなく、無駄なエネルギー消費をしづらくするように脳の構造自体も変えてしまうそうです。
つまり、瞑想を続けていると不安や心配事など他のことが頭に浮かびにくくなり、集中しやすい脳構造に変わるということです。
それでは、初心者向けにマインドフルネス瞑想の定番である呼吸瞑想のやり方について紹介します。
マインドフルネス呼吸瞑想のやり方
マインドフルネス瞑想の基礎でもある、呼吸に意識を集中させる呼吸瞑想のやり方について紹介します。
呼吸瞑想のやり方は次のようにします。
呼吸瞑想の方法
背筋を伸ばして座る。
目は閉じるか、半開きにする。
ゆっくりと鼻で呼吸をして、呼吸に意識を集中させる。
雑念がわいたらそれに気づき、意識を呼吸に戻す。
それでは呼吸瞑想のコツについても紹介しておきます。
初心者は座ってする
姿勢については、無駄な力が入らずにリラックスしている状態であればどんな姿勢でも問題はありません。
ただ、寝転んでやると眠ってしまう場合もあるので初心者は座ってやるのがお勧めです。
目は半開き
目は開けても大丈夫ですが、目に入ってくる物が雑念を生む原因にもなります。
私のお勧めは目を半開きにすることです。
目を半開きにしてどこにも焦点が合わないようにすると雑念がわきにくいです。
実況する
息を吸うときにはお腹のふくらみを感じながら「膨らみ、膨らみ」と実況して、息を吐くときにはお腹がちぢむのを感じながら「縮み、縮み」と実況すると呼吸に意識を向けやすくなります。
雑念が湧いても気にしない
雑念がわいたら、「あっ!ほかのことを考えてた」ということに気づいて呼吸に意識を戻します。
このときに、「呼吸に集中できない自分はダメだ」とネガティブなことは考えないようにしましょう。
筋トレが何度もダンベルを持ち上げて筋肉が強くなるように、瞑想も雑念に気づいて意識を戻す回数が多いほど脳が鍛えられます。
これを一日に2分くらいから始めて慣れてきたら5分、10分と徐々に時間を増やしていきましょう。
単発で長い時間やるよりも、毎日少しずつでも続けることが大切です。
マインドフルネス瞑想が集中力に与える影響まとめ
- 不安や心配が頭から離れない
- つい他のことを考えてしまって集中できない
- 休憩しても疲れが取れない
こうした症状に思い当たる場合は、デフォルト・モード・ネットワークにより脳が全然休めていない状態になっている可能性があります。
今回紹介したように、瞑想にはデフォルト・モード・ネットワークを制御してエネルギーを節約する効果があります。
しかも瞑想を繰り返すことで、脳の構造そのものが無駄なエネルギー消費を抑えるように変化します。
まずは1日2分からはじめてみてください。
3ヶ月もすれば大半の方が変化を感じます。
最後に、今回はデフォルト・モード・ネットワークが悪者のようになっていますが、味方につけることが勉強効率が格段に上がります。
そちらについては、また別記事で紹介できればと思います。
タケラボでは他にも集中力を高める方法や不安対策などを紹介していますので、よければ別記事もご覧ください。