「会社員が最小限の努力で最大の結果を出す方法」として、エッセンシャル思考について4回にわたり解説しています。
この記事は第3回目となりますので、第1、2回目をご覧になられていない方はそちらからご覧ください。
- 仕事も人生も上手くいくエッセンシャル思考とは?
- 大事なことを見極める方法とは?
- 捨てる技術 ⇐今回の記事
- 努力に頼らず仕事を仕組み化
今回はエッセンシャル思考の「捨てる技術」についてポイントを絞って解説していきます!
では早速見ていきましょう!
エッセンシャル思考実践!捨てる技術とは?
今回の内容に入る前に少しだけ前回のあらすじを紹介しておきます。
前回のあらすじ
非エッセンシャル思考の人がいきなり不要な物を捨てようと思っても基準がわからないので逆効果になる場合がります。
そのため大事なものを見極める方法として3つご紹介しました。
1つ目が、頼まれたことに対して反射的に「やります!」と答えずに、「本当に自分にとって大切か?」と考える時間をとりましょう。
2つ目が、大事なものとそうでないものを分別するために、厳しい基準を設けましょう。
3つ目が、1つ目と2つ目の判断を間違わないように睡眠時間はしっかりととって脳のパフォーマンスを高い状態に保ちましょうといった内容でした。
このように前回はあなたにとって大事なものとそうでないもの見極める方法について紹介してきました。
しかし、いくら大事なものとそうでないものを見極める方法がわかっても、頼みごとを断れなかったり、捨てることができなければ現実は何も変わりません。
今回は重要ではないことの上手な断り方と捨てる方法について解説していきます!
線引き
まず、「ここだけは譲れない!」というボーダーラインを決めておきましょう。
ボーダーラインを決めておくことで、引き受けるか悩む事態がおきたときに悩まず判断できるようになります。
誰かに何かを頼まれて嫌な思いをしたり、自分から「やります!」と言いながら「なんでこんなことをやっているんだろう?」とむなしくなった経験があれば、それがあなたのボーダーラインになる可能性があります。
私がサラリーマンでイヤだと感じた瞬間は、「上司に突発的に仕事を頼まれる」、「仕事が遅い人がいれば手伝わなければいけない」、「誰でもできる業務をやらされる」などです。
私にとってこうした出来事の何が嫌なのかを冷静になって考えたところ、「時間外勤務が発生すること」でした。
正直、暇な時期であれば上司に仕事を振られても、同僚を手伝うのも、誰でもできる業務を頼まれてもある程度は割り切ることができていました。
忙しい時期に上記のような出来事が起こることで残業が発生すると、心身ともに疲れるし、副業する時間もなくなる、家族との楽しい時間も削られる、アフターファイブで趣味の空手もできないというのがストレスの元でした。
そこで私にとって何が大切かを考えた結果は以下の通りです。
私の大切な物
幸せになるために働いてるのに心身ともにやられたら元も子もない。(一度休職まで追い詰められた過去があるので)
サラリーマンで成功するよりも、いざというとき会社に頼らず自立できる力を身に着ける方が大切。
会社の人間関係よりも、私の帰りを楽しみに待っている嫁と子供の方が大切。
自分にとって重要でない仕事で残業するより、趣味の時間を作って楽しむ方が大切。
私がサラリーマン業で線引きしているのは「雇用契約の勤務時間以外は会社に縛られない」です。
そのため、残業、休日出勤、行きたくない飲み会の参加はやめることにしました。
先ほどお伝えしたように、ボーダーラインを決めておくと、引き受けるか悩む事態が起きた時に悩まず判断ができるようになります。
例えば自分ににとって魅力に感じる仕事を上司が定時間際に「明日までに仕上がてくれ!」と依頼してきた場合などです。
私のボーダーラインは定時までしか働かないなので、魅力的な仕事でも残業して仕上げてくれというものは引き受けません。
捨てる方法
時間や集中力は有限なので、大事なことに注力するためには今抱えている不要なものを捨てる必要があります。
ここからは不要なものを捨てるテクニックについて紹介していきます。
もったいないを捨てる
あなたにも「ここまでやってきたんだから今更やめられない!」というものはありませんか?
もうこの先良い事が期待できないのに、継続してきたことを「もったいない」と思ってやめられないことを心理学では「サンクコストバイアス」と言います。
身近な例でいうと次のような感じです。
サンクコストバイアスの例
大好きな人とのデートでずっと楽しみにしていた映画を観に行ったら最初から面白くなかった。
2人分の映画代も払ってしまっているし、もったいなからそのまま観続けたらやっぱり最悪だった。
「もったいない」という気持ちを捨てて、早く映画館から出ていたらもっとデートを楽しめたかもしれないのに。
このようにサンクコストバイアスが働くと、変えられない過去の行いに対して「もったいない」という気持ちが先行し、これから得られるかもしれないチャンスを逃すことになりかねません。
あなたの仕事でもサンクコストバイアスによって続けている物はありませんか?
- 成果は出てないけどこれまで広告業者にたくさんお金を払ってきたからやめられない。
- 大きな契約は見込めないけど、これだけ訪問したんだから少額でも契約をとりたくて通ってるなど。
成果の出ない広告に払う費用を別の物に移せば大きな成果が出るかもしれません。
大きな契約が見込めないと感じるのであれば新しい顧客を開拓した方が契約してくれるかもしれません。
このように、もったいないに縛られていると新しいチャンスを逃しかねません。
時間は有限なので捨てるからこそ新しいことに挑戦できるのです。
これまで続けてきたけど成果に繋がりそうにないものをバッサリと捨てることはとても大切です。
逆プロトタイプ
「いつもやっているからやめられない」といった心理現象を現状維持バイアスと言います。
あなたも普段何気なく行っている業務を見返すと、前任者に引き継がれたからなんとなくやっているという仕事はありませんか?
このようなケースで「あの作業は本当に必要なのでしょうか?」と前任者に聞くと、大半の場合「私も引き継がれたからやっていた」という答えが返ってくるのがオチです。
非エッセンシャル思考の人は、現状維持バイアスが働いて「これまで通りにしておこう」と重要なのかわからないことに労力を費やしがちです。
しかしエッセンシャル思考の人はこうした重要なのかわかならいものをそのままにはしません。
そこで役立つのが逆プロトタイプという考え方です。
プロトタイプとは試作品という意味で、大まかなモデルを作成して、本格的に取り組むべきかを検討する叩き台のことを言います。
そして、何かを捨てるときにもこのプロトタイプが役立ちます。
本書ではこれを「逆プロトタイプ」と呼んでおり、捨ててもよい業務かどうかを検討してみましょうというものです。
過去からなんとなく続いてきた仕事で、本当に必要なのかわからないことはいったんやめて様子を見ます。
しばらく経っても誰も何も言わなければ、それは必要のない仕事だということです。
逆に「あの書類はどうしたの?」と聞かれたら、「すみません、忘れてました!」と言えばたいていおさまります。
私もこの逆プロトタイプはメチャクチャ使います。
仕事自体をなくすこともあれば、書類の中で「この文章は本当にいるのか?」といったことをコッソリ消しまくっています。
例えば小さなことでいえば、大量に文書を送る場合「〇〇会社 ○○様」と書いていたのを「ご担当者様」だけに変えるといった感じです。
たったこれだけでも、封筒の宛名と文書の宛名が合っているのか確認しなくて済むので大幅に時間の短縮になります。
逆プロトタイプは仕事のあらゆる面で使えるので、是非試してみてください!
上手に断る方法
サラリーマンであれば上司や同僚からの仕事の依頼って断りにくいですよね。
でも、いくら不要なものを捨てても重要でないことを新しく引き受けてしまっては意味がありません。
多くの人が断ることによって「なんだか悪いな」、「評価が下がらないかな」、「良くない出来事が起こりそうだな」と考えて反射的に「やります!」と答えてしまいます。
けど、ここまで何度も説明しているように時間は有限なので何でも引き受けてしまうと全てが中途半端になります。
本当に自分のことや会社のことを大切に思うのであれば、無駄な仕事を断るのもあなたの仕事のうちです。
もちろん断り方はとても大切です。
「私にとって価値がないのでやりません!」なんて言うと、口を聞いてもらえなくなるか、ブチ切れられて仕事を押し付けられる可能性もあります。
会社員の場合は、意見を主張しあうと立場が上の上司が有利になってしまうので、角が立たない断り方をマスターしましょう!
断り方については、詳しく解説したいので別記事で紹介していこうと思います!
まとめ
では今回の内容をまとめます!
まず最初にご紹介したのが「ここだけは譲れない」というボーダーラインを決めるということです。
ボーダーラインを決めることで、引き受けるか悩む事態が起きても悩まずに判断を下せるようになります。
そして重要なことに注力するには今抱えている重要でないものをバッサリと捨てることも大切です。
サンクコストバイアスや現状維持バイアスといった心理的要因によって捨てられずにいるものはないかを考えて対処しましょう。
現状維持バイアスの対処法としては「いったんやめて様子を見る」という逆プロトタイプが有効です。
また、不要なものを捨てれるようになっても重要でないことをドンドン引き受けていては意味がありません。
サラリーマンの場合は、いくら意見を主張しても立場が上の上司の方が有利になるので角が立たない断り方をマスターする必要があります。
特に私のように定時退社をボーダーラインにしているものからすると、仕事だけではなく飲み会の誘いもうまく断る必要がでてきます。
きっと多くのサラリーマンが断り方について悩んでいると思うので、別記事で詳しく紹介していきたいと思います!
次回はエッセンシャル思考の最終章「仕組化」について紹介していきます!
エッセンシャル思考の人は根性や努力の量に頼って結果を出そうとはしません。
長く継続するためにも自分の行動を仕組化して自然と結果がついてくるようにすることが大切です。
では次回の記事でまたお会いしましょう!